ドイツの電気料金は高い、産業は高い電気料金に悲鳴を上げている、家庭も我慢の限界に来ている、その原因は補助金によりコストの高い再生可能エネルギーが急速に普及したせいである、ドイツの再エネを推進する政策は限界を露呈しているなどの議論や報道が頻繁に流れている。一面の真実はあるにしても、本当に電力コストは高いのだろうか、高いとしても再エネ普及が主要因なのだろうか。EU委員会や一部の欧州アナリストは、この疑問に対する分析を行っている。今回はそれを紹介する。 「再エネ普及が電力料金上昇の主役か」を分析 EU委員会は、本年1月に、2030年を目標とする温室効果ガス削減対策案をまとめた。この概要については、本コラムでも取り上げたところである(「EU温室効果ガス40%削減案の真実」参照)。同委員会は、その際に基礎資料として「Energy Price and cost Report」を発表している。CO2削減