↑時系列としてはこれの続きです。 「ボク・・・ハロウィン好きじゃない・・・」 カボチャの被りモノをゴロリと床に転がして、オジュサが言った。 その瞳には光が無く、『ジャック・オー・ランタン』という名称を耳にしたときの輝きはすっかり失われてしまっていた。 「わしもコレ・・・アイタタタッ!」 腰が曲がっているのでマントの裾が地面についてしまうダクタス。 歩くとその裾を踏んでしまい首が後方に持っていかれ、腰に大ダメージとなる。 ダクタスはマントを取り去った。 「一度着ておいて何だけど、ごめんラニッツ。私これ着て出歩けないわ」 エコニィはそそくさと更衣用の部屋へ戻り、いつもの格好に着替えてしまった。 大剣をガシャリと担ぐと、満足そうな表情で小さく「よし」と言った。 「み、みなさんっ!考え直してください!村の大切な催しなのです!」 ラニッツの言葉はしかし、彼らの耳には届かなかった。 ただ一人を除いて。