特にこれと言った理由はないのだが、レイモンド・スマリヤンの『哲学ファンタジー』から、抜粋してみる。 茂木健一郎について書くという、不毛な作業の間の気分転換にはいいだろう。 大好きな本なのだが、この本については、あまり見たり聞いたりしたことがない。私のようなねじれた論理が好きな人間にとっては、たまらなく面白い本なのだが。 脳の活性化だの、ナントカ勉強法だのといった本のかわりに、こういう本が売れてくれたらうれしいのだが、まあ、無理な相談だろう。 10 意味論の問題。哲学者のアラン・ロス・アンダーソンが、あるセミナーで、次のようなおもしろい出来事を話したことがある。アンダーソンは、第二次世界大戦中に合衆国海軍に所属し、日本車の暗号を解く部門に勤務していた。暗号文書に何度も出てくる一語(数字で表されている)があったが、その意味を解読するのに全員が必死になっていた。苦労の末、