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米エクソンモービルのビジネス戦略は、株主にとっても、世界にとっても危ない。全米石油審議会の北極圏委員会のリポートを読むと、そんな危機感が強まる。委員長は同社のティラソンCEO(最高経営責任者)だ。この報告書は、米国政府に北極圏での石油・ガス掘削の推進を求めているが、それが気候変動に及ぼす影響については、一言も触れていない。 昨年は観測史上最も気温が高かった。気候変動会議は、今年は12月のパリ会議で合意をまとめるが、協議の先行きが懸念される。各国政府は、人間の活動が原因の気温上昇を摂氏2度(華氏で3.6度)以内に抑えることで合意している。しかし、今の状況が続けば、今世紀末までに4~6度も上昇しそうだ。対策は、化石燃料を減らして、風や太陽光を利用する低炭素エネルギーへ、また低炭素の電力を動力源とする電気自動車へシフトすることだ。 現実に無関心なエクソンの経営陣 世界の主な石油会社、仏トタル、伊
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