トヨタ自動車の新型株が波紋を広げている。「中長期保有を志向する新たな株主層を開拓する」として発行を計画するが、事実上の元本保証ながら議決権があるため、「経営側に都合のいい株主を増やす狙い」との疑問の声も出る。米年金基金や、外国人株主に影響力のある米助言会社が反対に回った。トヨタは16日の株主総会に計画を諮るが、予断を許さない。 トヨタ初の量産乗用車「トヨダAA型」にちなみ、「AA型種類株式」と名づけた新型株の仕組みは異例ずくめだ。 買って5年間は売却できないが、その後は希望すれば発行価格でトヨタが買い戻すため、トヨタが資金繰りに困らない限り、元本割れはしない。配当の利回りは、5年間平均で1・5%。新発5年物国債の利回り0・1%に比べれば破格だ。東京都内の個人投資家の男性(34)は、「国債などの債券に投資するよりもはるかに有利」と、さっそく証券会社で予約した。 自動車業界では、トヨタが世界で