ハンセン病の患者はかつて、療養所の隔離施設などに設けた「特別法廷」で裁かれた。法廷の問題点について、最高裁が内部調査に乗りだし、29日には外部から調査に意見する有識者委員会が療養所で聞き取りをした。有識者委は法廷が「裁判の公開」を定めた憲法に反していないかを重要な論点と見すえ、今年度中に意見をまとめる。 熊本県合志市の国立療養所「菊池恵楓(けいふう)園」を29日、有識者委員を務める学者や弁護士ら5人が訪れた。雪がちらつくなか、4時間近くをかけて、入所者の遺骨が納められた納骨堂や、特別法廷があった菊池医療刑務支所跡を回り、入所者2人から話を聞いた。 恵楓園と同刑務支所で開かれた特別法廷は35件と、全国の施設で突出して多い。ハンセン病患者とされた男性が殺人罪に問われ、無実を訴えながら死刑執行された「菊池事件」が裁かれた場所だ。この事件の再審を求める弁護士らが「傍聴者もなく、裁判の公開を定めた憲