2011/10/1711:46 対ミャンマーODA再開と二重為替問題 ―― チャット高とアジアの激変 大野更紗 10月14日、外務省は、対ミャンマー(ビルマ)ODAの再開を表明した玄葉光一郎外務大臣の談話を公開した。この談話では、民主化運動に参加して投獄されている約2000人の政治囚のうち、1割程度が釈放されたことなどをあげ、「民主化の前進」と評価をしている。だが、ODA再開の是非やアウンサンスーチー氏の動向が注目されるなか、国内情勢の激動についてはほとんど報道されない。今回はそうした定型的な報道では取り上げられることのない事情に少し触れてみたく思う。 ■空前のチャット高 現在、ミャンマー国内の政治情勢は、空前のチャット高にゆらいでいる。ミャンマーの通貨であるチャットは、政府が公式に使用する「公定レート」と市場で流通している「実質レート」が、にわかには信じがたい水準で乖離していることで知ら