この記事はMainichi-INTERACTIVE(毎日新聞)に掲載されたものを、毎日新聞の許可を得て転載させていただいたものです。 ◇認定に47年の空白 千葉市の放射線医学総合研究所(放医研)は、第五福竜丸が米水爆実験で被曝(ひばく)したビキニ事件をきっかけに1957年に設立された。元乗組員の健康診断をしている。 検査費用や交通費は国が負担する。だが国費による検査はあくまで「実態調査」が目的だ。放医研は文部科学省の所管。健康診断は放射能がもたらす影響を調べるだけで、治療はしない。 長く「放置」されていた問題がある。広島、長崎への原爆投下から半世紀の95年8月。広島の原水爆禁止世界大会のシンポジウムに登場した静岡県浜松市の医師、聞間元(ききまはじめ)さん(59)の報告は衝撃的な内容だった。 元乗組員を訪ねて調査を続けている聞間医師は、肝臓の不調を訴えた元甲板員の小塚博さん(73)からC型肝