人工飼育で育ったペリカンが野生を取り戻して2世を誕生させるまでの6年間の記録。◆宇部市の明光幼稚園に、近くの常盤公園から1羽のモモイロペリカン「カッタ君」が通い始めた。人工飼育で育ったカッタ君は人間を仲間だと思っている。園児はすぐに友達になったが、カッタ君にとっては必ずしもいいことではない。やがて繁殖期を迎えたカッタ君は、鏡に映った自分の姿を恋人と勘違いして近くの団地で独りぼっちの巣づくりを始めた。飼育係の白須さんはカッタ君をペリカンの仲間にひきもどすため、風切り羽を切って飛べなくしてしまう。幼稚園に通うこともなくなったカッタ君にもやがて恋人ができ、子供も生まれる。