――ディスク2冒頭の“エコロジー思考”(ディスク2、1曲目)や“近代”(ディスク2、2曲目)、“月”(ディスク2、3曲目)は、どこか不穏な空気を漂わせた20世紀のクラシック・ピアノ曲風です。シェーンベルクの“月に憑かれたピエロ”にも通ずるような……。ところで、“エコロジー思考”というのは何でしょう? 「“エコロジー思考”は、アルバム全体のインスピレーション源のひとつである、篠原雅武さんの『複数性のエコロジー 人間ならざるものの環境哲学』(2016年、以文社)という著作に出てくるキーワードです。お気に入りの本で、興味深いことがいっぱい書いてあります。この本にはかなり感化されました」 ――なるほど。続く“蠢き”(ディスク2、4曲目)は〈うごめき〉という字のごとく、本当に虫っぽい曲です。 「これも先程と同じくインスピレーション源であった漫画『銃座のウルナ』からのサントラ的な作り方で出来た曲の一つ
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