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ブックマーク / note.com/masudanoriko (1)

  • ポテトサラダぐらい|マスダノリコ

    あのあと築50年のアパートに帰宅した爺、年中出しっぱなしの炬燵の上にスーパーの袋をガサッと置く。袋の隣には小銭が散らばっている。次の年金の振り込みまであと5日。スーパーで惣菜を買いたかったが諦めて特売のカップ麺が今日の昼だ。 流しは洗い物で溢れていて、この暑さで饐えた臭いがしている。が亡くなって三年、まともな料理べたことがない。最初の一年は呆然と過ごした。さまざまな手続きや片付けもあった。夢中で過ごした。一年経って、自分がまともな事を取っていないのに気づいた。 特においしいとも思っていなかった料理が恋しかった。とりわけ恋しかったのがポテトサラダだ。自分で作ってみたらどうだろう? 最近は男性向け料理教室などというものがある。たしか老人会でもあったはずだ。爺はずっと避けていた地域の集まりに行ってみようかと思ったが、いまさらと思ってやめた。 もともと社交的な性格でもなかった爺には、

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