全国津々浦々、5万店を超えるコンビニエンスストアの攻勢により、長きにわたり地域に根差してきた中小の食品スーパーが苦境に喘いでいる。 日本チェーンストア協会が10月21日に発表した数字によれば、今年1〜9月の既存店ベースの売上高は前年同期比1.0%減で、なんと17年連続で前年実績を下回った。「地域を超えたスーパー同士の合従連衡が不可欠」(流通アナリスト)との見方が広がる中、ある異業種の存在がクローズアップされている。大手牛丼チェーンの「すき家」である。 すき家を展開するゼンショーホールディングス(HD)は、一大外食企業として業態の多角化に余念がない。「なか卯」(牛丼&うどん)、「ココス」(ファミレス)、「ビッグボーイ」(ハンバーグ)、「華屋与兵衛」(和食)、「はま寿司」(回転寿司)、「モリバコーヒー」(コーヒー)……。これらすべてがゼンショーグループと聞けば、改めて驚く人も多いだろう。