愛と平等は、相反する概念である。なぜなら愛とは、その愛する相手を特別扱いし特権化することであり、「愛する人」と「その他の人」の間に格差を作ることそのものだから。これは非モテ界隈で数年議論に関わってきて、僕が学んだ真理のひとつ。 そんなことを考えながら、「真説 ザ・ワールド・イズ・マイン」4巻~5巻に登場する、三人の警部の物語を読んだ。「ザ・ワールド・イズ・マイン」は非常に複雑な作品で様々なテーマが絡み合っているが、僕が特に興味を引かれたのは、この三人の物語だった。 【「人権派」塩見、「感情人間」薬師寺、「合理主義者」須賀原】 この作品には、「塩見純一」「薬師寺喜治」「須賀原譲二」という、三人の異なった個性を持つ警部が登場する。 ・塩見はヒューマニズムに溢れた人権派。 ・薬師寺は直情的な感情人間*1。 ・須賀原は冷徹な合理主義者。 三人は、作中でこのように描かれる。彼等は、凶悪無差別殺