コロナ禍を経て坂村健氏がリーダーを務めるTRONプロジェクトの活動内容も少しずつ変わりつつある。「IoT-Engine」は、同プロジェクトが提唱する「アグリゲートコンピューティング」を実現するためのIoT(モノのインターネット)向けのオープンな標準プラットフォーム環境だが、同様の構想は民生機器向けであれば、アマゾン(Amazon.com)やグーグル(Google)、アップル(Apple)やサムスン電子(Samsung)などが参画するスマートホーム機器のセキュリティと認証の規格「Matter」などの形で具体化しつつある。 これらのIoT-EngineやMatterにとって、エッジやエンドポイントのデバイスを制御するのに重要な役割を果たすのがリアルタイムOS(RTOS)である。TRONプロジェクトのRTOSといえば「μITRON」が広く知られているが、現在はIoTへの対応も可能な機能を備えた「