太平洋戦争中の空襲について日米両国の資料を集めたインターネットのサイト「日本空襲デジタルアーカイブ」が11月末開設された。「空襲で何が起きたのか」を米国人はあまり知らない、などと感じた在日米国人らが作成。空襲被害者の証言動画も字幕付きで紹介、日本にいながら米国側公文書も閲覧できる新たな取り組みだ。「空襲の実態を世界に広めたい」と意気込み、日本人研究者の支援も求めている。【森禎行】 作成したのは、20年近く前に来日し、神奈川県小田原市で英会話教室を経営するブレット・フィスクさん(37)と、日本近代史などを研究するニューヨーク市立大のケリー・カラカス准教授(39)。 フィスクさんは、太平洋戦争が題材の日本語小説を執筆しており、空襲体験記を読み、子供をかばって火の手に包まれた父の姿など残酷な記録に心を痛めた。「米国では空軍の視点からの情報しかない。地上の市民の実態を知ることが重要」と考えたという