中国の習近平指導部がトランプ米政権に対し、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への圧力を強める見返りとして、米中が対立している南シナ海問題などで対中強硬姿勢を示すハリス米太平洋軍司令官(海軍大将)を更迭するよう求めていたことが6日、分かった。米中関係筋が明らかにした。 ハリス氏は日系米国人。先月、原子力空母カール・ビンソンに北朝鮮付近へ向かうよう命じるなど、太平洋地域の安全保障の実務をつかさどる。主権国にとって軍司令官人事は内政の重要事項で、他国が更迭を求めるのは外交上極めて異例だ。 4月6~7日に米フロリダ州で行われたトランプ氏と習国家主席の初首脳会談に合わせ、中国の崔天凱駐米大使が米側に要求を伝えた。また経済関係についても、トランプ政権に対して中国の「為替操作国」認定を見送るよう求めた。 トランプ政権側は更迭要求を拒否したとみられる。(共同)