昨年、ITmediaエンタープライズ編集部と調査会社のITRが合同で行った読者調査において、「クラウドコンピューティングの利点」として挙げられた最大の要素は「自社で資産を持つ必要がない」であった。一般にクラウドコンピューティングに関心を持つ(国内)企業の多くは、導入/開発コストはもとより、運用フェーズに入ってからの負荷や人件費のセーブを念頭に置いているといえよう。つまり、クラウド化すれば「コスト削減」できるのでは? という期待だ。 ただし、行き過ぎたコスト削減の議論は、極端な「情シス不要論」にもつながりかねない。自社でIT資産を所有せず、運用もせず、ただ利用するだけならば、ITインフラを管理する部門など不要だ、ということになるからだ。 東京は秋葉原の地に本社を置くエフ・エー・テクノは、メーカーがその製造ラインで利用する各種電子部品・電子機器の販売・製造を手掛ける“制御商社”である(社名もF