入社したての新卒社員でも転職サイトに登録する時代。終身雇用が前提のときは「ファーストキャリア」などという概念もなかったが、今は若い人を中心に、次の職場を意識することが当たり前だ。管理職としては、部下の離職率の高さは評価に響き、昇進に影響しかねないため人ごとではない。部下がやりがいを持ちながら仕事に向き合えるように、管理職には一人ひとりを「動かす力」が求められている。しかし、その方法が分からずに頭を抱える人は多い。 背景には、日本企業の管理職は伝統的に「人を動かす力」を強く求められてこなかったことがある。少し前までは年功序列で終身雇用、勤続年数が長いほど退職金が多くもらえる企業が多かった。ダイバーシティー(多様性)のない集団をつくり上げて、企業に貢献させようという考え方が一般的だった。このような環境下では、部下は同期からのプレッシャーや、「この会社で長く頑張って昇進したい」というやる気に駆ら