住まいに関して、購入と賃貸でどちらが得なのか?という疑問がよく聞かれます。よくあるのは、「住宅ローン返済と同じ程度の賃料支払いならば、買ったほうが得」というフレーズです。確かに、購入は、返済が終わってしまえば住まいは自分の資産として手元に残るし、完済後は返済がなくなるため、購入のほうが得なような気がします。しかし、この考え方は正しいのでしょうか? 経済的に損か得かということにきちんと向き合いたいのであれば、万国共通の尺度である投資理論の考え方を使って検討するのがよいと思います。ここで重要な概念は「現在価値(PV)」「正味現在価値(NPV)」そして「内部収益率(IRR)」です。 PV(Present Value)とは、将来受け取ることができるお金を現在の価値に換算するといくらになるか?」というものです。計算式は、 となります。例で説明しましょう。 今、100円を年率10%で運用できるとしたと