16日午前2時。熊本県宇城市の山道で、J2熊本FW巻誠一郎(35)は懸命に声を張り上げていた。「グラウンドにクルマを入れちゃってください!」。直前に熊本地震の本震が起き、津波注意報が出た。巻は家族と共に、乗用車で高台に避難したが、ふもとから渋滞が起きていた。 誰も交通整理をする者はいない。自分がやるしかない。乗用車を飛び降り、夜道に立った。山頂手前に、運動場があった。乗用車を乗り入れていい場所ではないが、今は平時ではない。とっさの判断で渋滞の列を流し込み、一気に避難民を山頂へと導いた。 津波注意報が解除されても、建物内には戻れない。16日夕刻の時点で、巻は丸2日を乗用車の中で過ごしている。15日にはチームの全体練習もあったが、その最中も強い地震に襲われた。何より、おびえる家族を置き去りにしてボールを蹴ることは複雑だ。「正直、今はサッカーどころではないと思います」。16日にはピッチは自衛隊や
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