前回の記事「『塩漬け』にされた国産ジェット旅客機開発、三菱重工に欠けていた視点とは」では、「スペースジェット(旧MRJ)」を開発した三菱重工業が最大のライバルとなるブラジルの航空機メーカー、エンブラエルを過小評価していたのではないかと述べた。ブラジル製の航空機よりも日本製の航空機の方が優れていると多くの人が思っていたが、実はエンブラエルのルーツはドイツの航空機メーカー、ハインケルの技術者たちにあった。では、スペースジェットと、競合するエンブラエルとは性能や快適性でどこが違うのか。私自身の操縦経験を含めて具体的に解説したい。 前回から読む(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/73684) (杉江 弘:航空評論家、元日本航空機長) 高度、速度ともにエンブラエルに劣る 私は日本航空(JAL)で長年「ボーイング747」に乗務した後、2008年秋からJALのグ