渋沢栄一もドラッカーも決して順風満帆の人生だったわけではない。時代の荒波に翻弄されながら紆余曲折の人生を送っている。しかし、2人共その紆余曲折の人生の中で、自らの使命を見定め、大きな成果を残した。 ドラッカーは渋沢栄一を高く評価していた。ドラッカーが書いた本や論文の中にも渋沢栄一の名前は随所に出てくる。では何を評価していたのだろうか。ドラッカーの『マネジメント務め、責任、実践』(有賀裕子訳、日経BP)には次のような文章がある。 「渋沢栄一が、誰よりも早く1870年代から80年代にかけて、企業と国家の目標、企業のニーズと個人の倫理との関係という本質的な問いを提起した。20世紀に日本は経済大国として興隆したが、それは渋沢栄一の思想と業績によるところが大きい」 渋沢の洞察力を高く評価していたドラッカー 『断絶の時代』(上田惇生訳、ダイヤモンド社)では、かなりの紙面を使って岩崎弥太郎と渋沢栄一の偉
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