第二次世界大戦は日本にとって悲劇的な大敗を喫した歴史に語り継ぐべき戦争となった。この破滅的な戦いを日本はなぜ回避できなかったのだろうか? 戦後78年が経っても議論を呼ぶ大戦のはじまりを解説する。 ■アメリカによる石油の全面禁輸で開戦を決意 国際社会から孤立する日本が、アメリカとの対立を決定的としたのは、日独伊3国同盟の締結であった。 日独は昭和11年11月25日に防共協定を締結していた。これはソ連を主な対象とした共産主義の封じ込め政策であったが、この防共協定を軍事同盟に発展させる構想が第1次近衛文麿(このえふみまろ)内閣のときに浮上した。3国同盟問題は続く平沼騏一郎(ひらぬまきいちろう)内閣でも引き続き討議されたが、この時、米内光政(よないみつまさ)海相をはじめ海軍首脳は徹底して同盟締結に反対した。ヒトラー政権下のドイツやムッソリーニのイタリアと手を組むことは、米英との戦争につながると考え