県は4日、中津市三光諫山の東九州自動車道の建設現場で、土地収用に抗議する元地権者の男性(67)が設置したやぐらを強制撤去する行政代執行をした。男性はやぐらに立てこもって抗議し、5時間ほど押し問答が続いたが、最後は警察官が男性を確保した。土地収用を巡る県の行政代執行は1974年以来40年ぶり。 男性は2日夜から高さ約5メートルのやぐらに登り、立てこもった。身の回りをブルーシートなどで囲い、「強制収用反対」などと書いた9枚の垂れ幕を下げた。県や県警、西日本高速道路の職員ら約50人がやぐらを遠巻きに囲む中、午前9時前に代執行開始が宣言され、降りてくるよう説得が始まった。 男性は「知事を呼べ」などと言い、「やぐらに来たら火をつける」などと叫びながら灯油のようなものをまいたため消防車が出動。支援者数人も集まり、膠着(こうちゃく)状態が続いた。