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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (10)

  • 人質殺害事件に寄せて

    人人質事件は、残念な結果になった。 昨年六月に登場して以来、その残虐さで国際社会を震撼させてきた「イスラーム国」が、いかに深刻な問題かを、日は遅ればせながら実感したことになる。 この問題について、筆者はあまり語ってこなかった。少ない情報で、しかも人命がかかっていることで、あれこれ語ることがいいとは思えなかったからだ。この事件に関する日の報道を見ていると、解決に逆効果をもたらしたのではないかと懸念する。 そもそも、国内の普通の誘拐事件だったら、ここまで情報や憶測を垂れ流しにしただろうか。こうすればよい、ああすればよい、といったコメントが、いちいち日側の手の内、対応を犯人に晒しているとの自覚はなかったのだろうか。 犯人が海外だから、日国内で交わされる議論は聞こえないとでも思っているのかもしれない。だが、ネットに掲載される情報は日語でも簡単に自動翻訳にかけられるし、テレビ画像でもY

  • 中国富裕層の国外大脱出が始まった

    国や経済の先行きに不安を抱くアメリカ人が「カナダに移住してやる!」などと口にするのは、半ばお約束。しかし、実際にアメリカを出ていく人はめったにいない。 その点、中国人は違う。近年、特に富裕層の間で、より良い暮らしを求めて国外に移り住む人が増えている。最も人気のある移住先はアメリカだ。 中国の資産家393人を対象にした民間研究所「胡潤研究院」のレポートによれば、中国富裕層(資産1000万元〔約1億7000万円〕以上)の64%が既に国外に移住したか、移住を計画している。また、超富裕層(資産1億元〔約17億円〕以上)の3分の1は、国外に拠点を持っているという。 子供を留学させたいと考える富裕層の割合も80%に上る。留学先としては、大学はアメリカが1番人気、高校はイギリスが1番人気、アメリカが2番人気だ。中国のエリートたちは、自国の硬直的な教育システムを評価していないのだ。 「裸官」たたきの影響

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    rotling 2014/02/25
  • 「金髪・付け鼻」はどうして差別になるのか?

    ANA(全日空輸)は今月中旬から放映が始まった同社のテレビCFに対し、人種差別的だとの苦情が寄せられていることを理由に放映を打ち切ったようです。問題とされたのは、3月から羽田空港発着のANA国際線が増便されることをアピールするキャンペーンのCFで、ANAのパイロットに扮した俳優の西島秀俊さんとお笑いタレントのバカリズムさんが、今回の「大増便」に伴って同社のイメージアップをしようと英語で会話している内容です。 就航地を紹介して「増便の喜び」で盛り上がったところで、バカリズムさんが「じゃあ、ハグしよう」というと、西島さんは「何とも日的なリアクションだね」とこれを否定。そこで "Let's change the image of Japanese people!" と西島さんが言うと、バカリズムさんが "Sure." と応じるのだが、このときバカリズムさんの見た目は、金髪のカツラと高さを強調

    「金髪・付け鼻」はどうして差別になるのか?
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    rotling 2014/02/05
  • 米軍の迷彩ファッション戦争

    身を潜めて タリバンの攻撃に備える米兵(アフガニスタン)。迷彩服が生死を分けるのは確かだが Goran Tomasevic-Reuters 米軍がクロゼットの大掃除を迫られそうだ。ここ10年ほど米軍は、組織ごとに戦闘服の迷彩柄を増やしてきた。だが、議会の我慢が限界に達したようだ。下院は先頃、迷彩柄を18年10月までに軍全体で統一するよう求める措置を承認し、上院軍事委員会も同様の規定を承認した。 ウィリアム・エンヤート下院議員(民主党)がこの提案を思い立ったきっかけは、微妙な違いしかない戦闘服のデザインに、各軍が相当の予算を使っていることを報じたワシントン・ポスト紙の記事だった。実際、02年に米軍の迷彩柄は「森林用」と「砂漠用」の2種類だったが、今は10種類もある。 「デザイン戦争」に火を付けたのは海兵隊だった。31万9000ドルを投じて森林用と砂漠用のデジタル迷彩を開発し、02年に発表した

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    rotling 2013/07/18
  • アメリカ「格安航空時代」は終わった

    冬の時代へ これからアメリカでは航空運賃が値上がりし、サービスは低下するだろう Mike Theiler-Reuters 安価な運賃で空の旅を楽しんできた者に受難の時代が訪れた。原因は、先日発表されたUSエアウェイズとアメリカン航空の合併だ。既にノースウエスト航空はデルタ航空に、コンチネンタルはユナイテッドに、エアトランはサウスウエストに買収されており、これで近い将来、4大航空会社がアメリカ市場の約70%を占めることになる。 これが独占とまでは言わないが、30年以上にわたって熾烈な競争が繰り広げられ、常に運賃が下げられてきた時代はこれでほぼ終わったと言っていい。 かつては運賃が米民間航空委員会によって定められ、各社が利益を得られる仕組みになっていた。だが70年代後半から80年代前半にかけて、カーターとレーガン政権下で行われた規制緩和によってすべてが変わった。 新規参入組が次々と現れ、従来の

  • アメリカの大学進学率は高過ぎる

    アメリカで4年制大学を卒業生しても、半数近くは4大卒の資格が要求される仕事に就けずにいる。 アメリカのNGO「大学の割安感と生産性センター」が今日発表したリポート「なぜ近年の4大卒は能力以下の職に就いているのか──大学進学率と大学入学と労働市場の現実」によると、アメリカの4大卒の約48%が大卒の資格を必要としない職業に就いており、37%は高卒の資格しか必要としない、たとえばタクシーの運転手、消防士、店員、電話勧誘などに従事している 「多くの人、とくに学士を取得した人は就職しているが、必ずしも良い仕事に就けているわけではない」と、リポートの共同執筆者の一人でオハイオ大学のエコノミスト、リチャード・ベッダーは言う。 ベッダーは長年、誰もが大学に行くことに反対してきた。4大卒の学位を必要とするような仕事アメリカにどれだけ存在するかを考えると、大学に進学するアメリカ人の数は多過ぎる。 リポートで

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    rotling 2013/01/29
  • 特集:中国に異常あり

    中国 「矛盾超大国」の異常信号 共産党 反日デモに隠れた中国の深過ぎる病根 指導者 次期トップは物の改革者か 視点 「冬の時代」に政権を担う習近平の多難 不良債権 中国金融が抱える時限爆弾 分析 命運を握る中間層の落日 Newsbeast Internationalist The United States ヒラリーの長く厳しい1週間 Israel イスラエル首相に米国民はうんざり? The United States イスラム冒涜映画の黒幕組織 Somalia 新大統領をテロが襲うソマリアの前途多難 South Korea 韓国の教科書から進化論が消えた? France 増税でフランスの金持ちが国外脱出 Britain 英キャサリン妃、トップレス写真の波紋 Asia Vietnam ベトナムがアジアのギリシャに? Burma 経済開放ビルマを軍政の影が覆う U.S. Affairs 満

    特集:中国に異常あり
  • 中国「裸の官僚」を丸裸にせよ

    中国のブログは「裸官」の話題で持ち切りだ。検閲当局がこの言葉を検索不可にしたほどだが、「裸」といってもポルノとは関係ない。陰でせっせと私腹を肥やす一方、万一に備えて家族や資産をひと足先に国外に送り出している汚職官僚を指す。「裸」とは名ばかり、実は隠し事だらけというわけだ。 贅沢三昧の腐敗官僚に市民は怒りを募らせている。風当たりを弱めようと、中国政府は政府の接待費、公用車、国外出張費という「3大公費支出」の削減を目指す新たな規制を発表した。10月1日から政府機関による贅沢品の購入を禁止、違反した者は懲戒処分となる。 中国財政省によれば昨年の接待費は中央政府だけで14億7200万元(約180億円)。地方政府幹部の宴席費用まで含めたら、一体どれほどの額になることやら。 しかしそんな贅沢三昧に歯止めがかかりそうだ。公費引き締めの動きを受けて、公用車の競売が増加。浙江省温州市では宴席費用は1人当たり

  • 尖閣問題はもはや「棚上げ」できない

    大きな火種 香港の活動家たちを乗せ、尖閣諸島を目指す漁船 Japan Coast Guard-Handout-Reuters 夏の沖縄の青い海で、さびれた中国漁船と日の海保の艦艇がぶつかりあう。「同胞」の逮捕に怒った中国人が大陸の都市で反日デモに繰り出し、日車や日料理店を襲う――。 まるで2年前の再現映像を見ているようだ。8月中旬、日中が領有権を争う尖閣諸島(中国名・釣魚島)に漁船で接近し、上陸した香港人の活動家を海上保安庁が逮捕・強制送還すると、中国の20都市以上で日に対する抗議するデモが発生。深圳市では日製だということで警察車両までがひっくり返され、日料理店の玄関ホールが破壊された。 横断幕に並んだフレーズも「日製品ボイコット」「日は釣魚島から出ていけ」と、2年前と同じお決まりの内容。ただ前回は3日連続した逮捕直後のデモが今回は1日だけで終わった(散発的なデモは先週末も

  • 中国海軍が出動しない訳 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    温存された海軍 中国がスカボロー礁に派遣したのは軍艦ではなく、急ピッチで増強している巡視船などの法執行艦船だった Carlos Garcia Rawlins-Reuters 一度はすべてが終わった。だがそれもつかの間、再び事態は緊迫しつある。多くの教訓がそこにある。 フィリピン沖の南シナ海にあるスカボロー礁(中国名・黄岩島)の領有権をめぐって2カ月以上も一触即発のにらみ合いを続けた後、中国とフィリピンはようやくこの「戦争」に終止符を打ったかに見えた。 フィリピンのインクワイアラー紙(ネット版)によれば、フィリピン外務省は6月23日までに、中比両国ともこの海域から撤収したことを確認した。中国側は公に撤収を認めようとはしなかったが、スカボロー礁は平和になった。 それが早くも3日後には中国の巡視船など5隻が戻ってきたと発表する事態になり、さらに2日後、中国国防省は南シナ海に中国政府がつくった「三

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