インド圏以外の海外で、欧米人をメインターゲットとするインド料理店に行った事がある、という酔狂な人はまれかもしれないが、これはそういう人が見ると、なるほど!と膝を叩きそうな本である。 1989年にイギリスで出版、2008にリイシューされたこの The curry secret という本は、一冊の中でスターターからメインディッシュ、サイドディッシュ、ブレッド類に米料理、とインドレストランのメニューの一通りのレシピを懇切丁寧に解説している。 そのメニューの内容が、ブナ、コルマ、ダンサク、サグワラ、ジャルフレジ、バルティ、パサンダ、と、その手のインド料理店の典型的なそれなのである。 その手の店に共通する特徴としてはメニューラインナップ以外にも、メニュー数はやたら多いもののどれを頼んでも結局ほとんど同じ味、という点が挙げられる。 このレシピ本を読めば、それがなぜそうなるのかという事もよくわかるであろ