入試シーズンを前に、一足早く推薦入試やAO入試などで入学が決まった高校生を大学が指導する「入学前教育」が熱を帯びている。大学全入時代を迎え、半数は一般入試を受けず、学力や意欲の不足から大学で順応できない若者が増えたためだ。かつては待つだけだった大学が、フィールドワーク、インターネット教材、予備校との提携など、あの手この手で対策に知恵を絞っている。 大阪市浪速区の通天閣の近く。大阪女学院大(大阪市中央区)のAO入試に合格した12人が、行楽客らであふれる新世界の路地を、興味津々で歩いていた。「最初はエッフェル塔と凱旋(がいせん)門を組み合わせたデザインやったんです」「ええー」。案内役の落谷正教・アドミッションセンター長の説明に驚きの声が上がる。 同大学は入学前教育として英語などの課題に加え、昨年から地元・大阪学を導入。キャンパスで歴史や産業などの講義を受けた後、現地に出て実情を学び、来年3月に