働き方改革がなぜうまく進まないのか。前回に続き、日本企業の現場に潜む働き方の問題点を浮き彫りにしていきたいと思います。焦点を当てたいのが日本人独特の日常の表現に潜む心理がもたらす問題点。仕事上当たり前だと思っていることは、意外とこの心理によってもたらされる大きな無駄である可能性があります。 失礼にならないように・・・ 今回取り上げたいのが「失礼にならないように」という心理。日本人はこの「失礼にならないように」という一心で、一生懸命仕事を増やしていると私は捉えています。礼を重んじる日本人の国民性が背景にあり、ひとつひとつの行為に決して悪気はないのですが、残念ながら仕事の無駄がどんどん積みあがっていく。やればやるほど複雑さや曖昧さが増長し、これが日本における生産性を大きく下げる要因になっています。 このことについては日本マイクロソフトの澤円さんも「礼儀正しく、時間を奪う」と、日本の働き方の問題
スティーブ・ジョブズがコンサルタントについて語っている短い動画を見ました。その中でジョブズは、ずばりこう言っています。 コンサルタントはアドバイスするだけではダメ(コンサルタントは)自分が勧めたことに責任を持ち、アドバイスがすべての段階でどう実行されるのかを見届けるべきだね。たとえば数年間のような長い期間にわたって、アドバイスに責任を持つ機会があるべきだと思う。 ──Youtube「Steve Jobs on Consulting」より翻訳引用 コンサルタントという仕事は、提案だけではなく「フォロースルー」が大事、とジョブズは述べています。つまり、それが採用され、結果につながるところまでを自分の仕事として完了すべし、というものです。 最後まで責任を持つことジョブズのメッセージのキーワードである「follow through(フォロースルー)」。 これは、最後までやり遂げる、きちんと片を付け
サラリーマンに、いきなり「あなたの夢はなんですか。それも、比較的手のとどきやすい、実現の可能性のある夢は?」とたずねてみたらどうであろう。私の想像するところ、たぶん、たいていの人が「楽しい家庭、楽しい職場を持つこと」と答えるのではなかろうか。 楽しい家庭、楽しい職場――たいへん結構である。私としても、そう異存のあることではない。「楽しい家庭」についてはともかく「楽しい職場」ということは、多くの会社のスローガンになっているくらいだから、サラリーマン諸氏が、そう答えたとしても、なんらおかしいことではない。日本の経営者の多くも、この答えを聞けば、満足そうにうなずくかも知れない。 しかし、さいきん私は、楽しい職場というときの「楽しい」ということばに、なにか心にひっかかるものを感じ、このことばはクセモノだぞ、と思うようになってきている。というのは、ドライブに出かけて楽しむとか、子供が遊園地で遊んで楽
くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。 新刊『潜入 旧統一教会 「解散命令請求」 取材NG最深部の全貌』が発売中。 情報戦の裏側 できれば起きてほしくない「不祥事」だが、起きてしまった後でも正しい広報戦略さえ取れば、傷を最小限に済ませることができる。企業不祥事はもちろん、政治家の選挙戦略、芸能人の不倫ネタまで、あらゆる事
今週のメルマガの前半部の紹介です。先日、こんな国際比較が話題となりました。 日本のソフト技術者、労働時間は最も長く、やりがいは最下位 国際比較 まとめると「日本人労働者は相対的に労働時間が長く、賃金は低く、仕事にやりがいを感じていない」ということです。ソフトエンジニアに限らず、国際的に見た日本人の長時間労働や低生産性、仕事嫌いは割と有名な話ですが、こうして全部並べて比較されるとなかなか壮観です。 普通、仕事はきついけど高賃金とかやりがいはあるとか、なにかしら一つくらい売りがあるものですけど、全部負けてるってある意味で凄いですね。なんだか昔の共産圏みたいです。 なぜ、日本の労働環境は長所が一つもないんでしょうか。そして、現状の枠組みの中でそれらを改善する余地はないのでしょうか。キャリアを考える上で非常に重要なポイントなので、まとめておきましょう。 “三無い職場”の作り方 筆者は以前から(長時
数日前、インドネシア人看護師が日本人の労働観について言及した次のようなポストがTwitterを中心に話題になっていた。 これを見て、うまいこと言うなぁ、と思った人も多いはずだ。 実際、このツイートはジョークでもなんでもなく、本当にそのとおりである。1分でも遅刻をすれば実害も無いのに文句を言われる職場が日本にはいっぱいあるし、サービス残業という犯罪行為は未だに横行している。日本の中にいると当たり前だと思って慣れてしまうのかもしれないが、国の外から見ると日本が世界標準とは到底言いがたい。 このインドネシア人看護師の言葉を見た後、僕はもし日本人が、本当の意味で時間を守るようになったらどんなことが起きるだろうか、と考えてみた。定時の徹底がなされた際に、日本はどんな社会になるのだろうか。ざっと考えただけで、次の5つのメリットがあるように思える。 1.健康な人が増える 当然ながら、過労死の問題は少なく
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