知財の世界で「ノウハウ」というと、「ノウハウ=営業秘密」という前提で、技術流出をどのように防ぐかという文脈で語られることがほとんどではないかと思います。 一方で、中小企業関連の仕事でノウハウが話題になると、そのストーリーでは話がかみ合わなくなることがあります。「ノウハウ」に関する問題意識が、技術流出ではなく、「Aさんの仕事のやり方(ノウハウ)を、Bさんにも真似てほしい」「Cさんの優れた手法(ノウハウ)を多くの社員に広めて、会社全体のレベルアップを図りたい」といったところにあるようなケースです。 こうした食い違いは、「知財(法律)用語としてのノウハウ」と「社会通念上のノウハウ」が必ずしも一致しないことによって生じるのではないでしょうか。 goo辞書で検索しても、「ノウハウ」には次の2つの意味があると説明されています。 1. ある専門的な技術やその蓄積のこと。 2. 技術競争の有力な手段となり