フェイスブック(FB)が2020年のサービス開始を発表しているデジタル通貨「リブラ」。日本を含め、世界中の中央銀行や規制当局から批判や警戒の声が上がっているが、母国米国の連邦準備理事会(FRB)で議長を務めるジェローム・パウエル氏の反応は冷静だった。 「利用者保護の面から見ても規制の面から見ても(フェイスブックが安全性や信頼性を担保することへの)期待はとても高い。これからの動向をかなり慎重に見ていきたい」 シンクタンクの米外交問題評議会が19年6月25日にニューヨークで開いた講演会で、パウエル議長は聴衆からの質問に答えてこう話した(CNBCが公開したその時の動画)。実際に会場で聞いていたが、日本で報道されている「対立トーン」というよりむしろ、慎重ながらもそのメリットを認識している印象を受けた。リブラについて「concern(懸念)」ではなく「expectation(期待)」という言葉を使っ