神奈川県鎌倉市にはかつて、旧皇族の山階宮(やましなのみや)家の別荘(別邸)があった。この山階宮別邸は「鎌倉別邸」や「由比ケ浜別邸」などと呼ばれていたと伝えられる。市内にはかつて、鎌倉御用邸もあるなど、鎌倉も皇室とは縁があるとされる。 地元最古の社会貢献団体「鎌倉同人会」が過去に発行した古地図によれば、別邸は現在の鎌倉市由比ガ浜の鎌倉保健福祉事務所(鎌倉保健所)付近にあったようだ。 大きな発見が 大正15(1926)年9月2日付の時事新報には〈世界地震学を訂正する 今村博士の大きな発見 鎌倉山階宮御別邸内研究所の博士 愈々(いよいよ)十月東京の汎太平洋会議に発表〉とする見出しで、以下の原稿が掲載されている。 記事では〈帝大教授理学博士今村明恒氏は今夏鎌倉由比ケ浜の山階宮邸内、帝大地震観測所に於(おい)て地震の新研究に没頭して居(い)たが、遂(つい)に世界の地震学にまだ考えられて居なかった一つ