電気自動車(EV)の火災事故が世界各地で相次いでいる。衝突事故に伴う炎上など原因はさまざまだが、共通するのが事故処理の難しさ。一度鎮火してもバッテリーの発熱によって再燃してしまうのだ。全米防火協会(NFPA)や米国家運輸安全委員会(NTSB)の調査結果から実態に迫る。 2021年4月17日夜、米国テキサス州ヒューストン北部で米Tesla(テスラ)のEV「モデルS」が木に衝突して炎上し、2人が死亡した(図1)*1。21年8月14日にはドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)のEV「ID.3」がオランダで充電後に発火*2。米GMの「Bolt EV」も充電中に電池から発火した事例が複数あり、GMは3回にわたってリコール(回収・無償修理)を発表した*3。 *1 地元警察の発表では、事故時の運転席が無人だったことから、事故直後はテスラの運転支援システム「オートパイロット」との関連が注目
![相次ぐEV火災の「消えない火」 バッテリー冷やせず再燃する](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e32cb5c9c2e4c1021aadba4a84a66d433d0cbebc/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fatcl%2Fnxt%2Fcolumn%2F18%2F00001%2F06034%2Fsns.jpg%3F20220512)