今回は『人魚の森』のレビュー7回目です。 前回はこちら。 登和によって、人魚の骸が磔にされた穴倉へ 突き落とされた真魚。 その背後に恐ろしい影が近づいてくる。 “なりそこない”である。 これは僕の仮説なんですが、 そして過去には先人が同じような説を 唱えていたかもしれませんが、 このなりそこないは 登和と佐和の母親なんではないでしょうか。 レビューその4でも少し書きましたが 母親は作品中、1コマだけ出てきます。 しかしその後、ぱったりと出てこなくなる。 父親は亡くなった話が出てくるが 母親のほうは亡くなった描写がない。 しかし家族が登和と佐和の二人きりになった、 という台詞はあるので どこかのタイミングで母親は死んだ、 あるいは行方不明になったのだ。 最近はどうなのか知らないが、 『らんま』初期の頃までの高橋留美子氏は 母親に冷たい節がある。 むろん例えばあたるの母、ラムの母、 ランの母や