のんびりやっております。 『人魚の森』のレビュー、その8です。 前回はこちら。 先週は 湧太と真魚が なりそこないを撃退したところまで取り上げました。 バトルシーンについては 感想をすっ飛ばしてしまいましたが。 その“なりそこない”が 登和と佐和の母親なのではないかというのが 前回の主題であります。 なりそこないは 人魚の肉へたどり着くまでの障壁であり その番人となっていたともいえるわけですが、 図らずして 登和や佐和が人魚に近づけないようにし 彼女らを守る役も担っていました。 知性はないでしょうから それはなりそこないの意志ではありませんが、 それを、“動物的な母性本能”として 作中に配置したのではないか、と読むのも また一興ではないでしょうか。 奇しくも、なりそこないは 作中で 登和や佐和とは対峙していないのです。 それは、“そう読めるように”かなぁ、と 考えたりするのですが。 おでん