今回は少々取り上げにくいテーマについて、あれこれ考えてみる。 と、決めたものの、さて、どうやって書き進めよう。このテーマはセンシティブな問題をはらんでいるので、いつも以上に文章の構成が決まらない。 ……とにかく、筆が進むままに書いてみるので、最後までお付き合いをよろしくお願いします。 まずは、某企業に勤める部長職である男性の“Z世代”への不平不満から。はい、何かと話題のZ世代です(※Z世代に厳密な定義はないが、一般的には1990年中ごろ~2010年生まれを指す)。 「ご指摘、ありがとうございます!」と絵文字付きLINE 「働かないおじさんってよくいいますけど、実際には働かないZ世代のほうが問題だと思うんですよ。だいたいの人が、心の中ではそう思っているのに、口に出せない。そういう“圧”みたいなのがあるじゃないですか。 今、メディアは、やたらとZ世代、Z世代って持ち上げて、“若い人の意見を聞こ
ここしばらく、ウクライナ情勢が気になっている。 自分でも驚くほど熱心に、関連報道を追いかけている。 もちろん、私のような者が、あれこれ分析したところで、どうなるものでもない。このことは、重々承知している。 ところが、昔と違って、しばらく考えてみてわからないからといって、 「わかんねえよ」 と、すっぱり無視することができない。 トシを取って弱気になっているせいなのか、ウクライナで暮らす病人やご老人の身が案じられてならない。 不思議な心理だ。 ある地域なり国に、内戦や戦争の危機が迫っているような時、昔は、なによりその土地で暮らす子供たちの身が心配になったものだった。 それが、いまは、子供たちの生命や健康を案じつつも、むしろ病に苦しむ人々や、現地で暮らすお年寄りのことが気になる。 それだけ私がトシを取ったということでもある。 じっさい、自分の周囲に、具体的な存在としての子供たちを見る機会は、ほと
「付加価値」を重視するキーエンスの経営哲学は、以前からほぼ一貫している。創業者で取締役名誉会長の滝崎武光氏は2003年、日経ビジネスの取材に応じていた。会長時代のインタビューで繰り返したのは、顧客から欲しいと言われる前に付加価値を見つけ出すことの大切さだ。滝崎氏は経営執行の第一線からは離れているとされるが、その言葉は今なお色あせていない。 ■掲載予定 ※内容は予告なく変更する場合があります (1)驚異の営業利益率55%、時価総額国内3位 キーエンスの強み (2)キーエンス シェア獲得の武器は神出鬼没の営業パーソン (3)キーエンス 1000本ノックで鍛える営業力、囲い込みは「ダサい」 (4)「予定は1分刻み」「接待厳禁」 キーエンスの豆知識 (5)ローソンも飛びつくキーエンスのソフト データ分析が次の鉱脈 (6)三菱商事もうらやむ高年収 驚異の数字が語るキーエンスの実力 (7)キーエンスは
前回の記事「ガンプラはどこに消えた? 暗躍する転売ヤー 怒るモデラー」では、ガンダムのプラモデル(ガンプラ)の深刻な在庫不足にファンが不満を募らせている現状を取り上げた。こうした状況に、多くのモデラーが怒っていることは間違いないだろう。そんなガンプラ愛が強いモデラーが商品不足の“元凶”と見なすのが「転売ヤー」だ。今回の記事では、転売ヤーの実態や混乱収束の見通しに迫る。 転売ヤーといえば、有名ブランドの洋服を着て高級時計を持ち、輸入車を乗り回しているといったイメージを持つ人もいることだろう。しかし、筆者が接触した転売ヤーは、そんなイメージとはかけ離れていた。子育て中の30代の女性で、ガンプラの一般的なファン層とも大きく異なる印象を受ける。 ガンプラの転売は、新型コロナウイルス禍が広がった2020年の春先から始めたという。「副業系のオンラインサロンに入っており、その中で『ガンプラがこれからもう
新型コロナウイルスの新変異株・オミクロン株は、従来株をはるかにしのぐスピードで感染を広げている。しかし、十分な数の人々が免疫を獲得して感染拡大が止まる「集団免疫」の達成がオミクロン株によって容易になるとの見方に専門家は否定的だ。 公衆衛生当局は流行の早い時期から、人口の十分な割合がワクチンを接種するか、ウイルスに感染すれば集団免疫の状態に達する可能性があるとの期待を示してきた。 だが、この1年間に新型コロナウイルスが次々と新しい株に変異し、ワクチン接種済みの人や既に感染した人も再感染するようになったため、こうした希望に影が差した。 昨年末にオミクロン株が出現して以降、あらためて集団免疫達成に期待を抱くようになった医療当局者もいる。 オミクロン株は感染拡大が速く、症状が軽いことから、近いうちに十分な数の人々が比較的軽い症状のままコロナに感染し、免疫を獲得するのではないかという理屈だ。 ところ
大手企業の面接において、選考の初期に行われるプロセスといえば、複数人の学生を集めて面接を行う集団面接やグループワークだろう。だが、新型コロナウイルスにより新卒採用の面接スタイルは大きく変化。集団面接は全く行わず、最終面接まで個別に行うオンライン面接が増えた。中には学生が企業に一度も行くことなく内定まで出す企業もある。 新卒学生向けスカウトサービス「iroots」が実施した2022年に卒業予定の大学、大学院生を対象とした調査(回答者数650人)によると、内定を取得している学生のうち「内定までの全プロセスがオンライン完結する企業のみだった」と回答したのは52%にも上った。企業に足を運ぶことなく内定を得る形は、古くからの就職活動とガラッと変わってしまった。コロナ収束後も、オンライン面接は一定のメリットがあるため、活用されるのは間違いないだろう。 さて、昨年と今年のオンライン面接を比較すると、昨年
新型コロナウイルスの感染者数が再び増加に転じ、東京五輪・パラリンピックは多くの競技が無観客で開催されることになった。関係者以外が会場に足を運べないなかで、注目が高まるのが映像配信などのリモート観戦だ。しかし、通信分野での五輪ゴールドパートナーであるNTTはそのニーズを捉えられそうにない。 「商用の5Gサービスを使い、距離、時間、空間といったあらゆる壁を越えるスポーツの新たな観戦体験を具現化する」。7月1日に東京2020組織委員会とNTT、NTTドコモ、米インテルが開いた「TOKYO 2020 5G PROJECT」の会見で、組織委員会のCTIO(チーフ・テクノロジー・イノベーション・オフィサー)、三木泰雄氏はこう力説していた。 新型コロナの感染再拡大により、1都3県で開催される競技がすべて無観客となることが決まった東京五輪。自宅などからリモートで観戦するニースは大きい。冒頭の発言は、それに
大手企業のソースコードが「GitHub」に流出したことが話題になっている。誤解してほしくないのは、今回の件でGitHubは全く悪くないことだ。問題はモラルハザードにある。モラルを売ると金になる構造に加担してはいけない。 話題のソースコード流出事件、報道にちょっと疑問 筆者は普段、深圳の開発ボードスタートアップ界隈(かいわい)にいて、それに関連する記事を書いている。今回は日本の話だが、編集部からリクエストがあり、かつ筆者自身も書きたいと思った。著名な企業・組織のシステムのソースコードが、共同開発サービスのGitHubにアップされた件である。 「Twitter」などでの情報を見る限り、かつて多重下請けでプログラムを書いていたエンジニアが、手元のソースをうっかり共同開発サービスのGitHub上に、誰でもソースを見ることができる設定で公開してしまったらしい。三井住友銀行など大企業のものとみられるソ
新型コロナウイルスの感染拡大はホテル業界に大きな影響を与えています。 元谷外志雄・アパグループ代表:新型コロナ以前は、うちの都内のホテルでは日帰りプランなどを提供していたこともあり、稼働率が100%を超えていました。ところが3月に入ってから稼働率は50%程度にまで落ちます。4月に入ると30%と、さらに厳しい状態になった。ひどいときには、10%、20%のホテルもありました。ゼロみたいなもんですよ。 バブル崩壊やリーマン・ショック、東日本大震災など過去の危機と比べても厳しい状況ですか。 元谷氏:35年間ホテル事業をやっていますが、今までで一番厳しい。かつては東日本大震災が最大の危機だったと言っていましたが、それを超えます。外出を控えるようにということですから、そもそも宿泊需要が発生しないのです。インバウンド客はほとんどゼロですね。国内のお客さんも、移動を取りやめたり延期したりしているのでほぼゼ
「この街は誰にでも開放する。ここにいるあなたたちにも」 トヨタ自動車の豊田章男社長は1月6日、米ラスベガスで7日から開催される世界最大のデジタル技術見本市「CES」の開幕に先立ち、人とあらゆるモノがインターネットでつながるスマートシティー「Woven City(ウーブン・シティ)」を静岡県裾野市に建設すると発表した。 2020年末に閉鎖予定のトヨタ自動車東日本の東富士工場の跡地を利用し、21年初頭に着工する。当初は約2000人の「住民」がここで実際に生活を送り、その後、徐々に増やしていくという。他企業と連携しながら、最終的には約70万8000㎡の街を形成する予定だ。トヨタだけでなく、他の企業や組織がここで独自のプロジェクトを進めることもできる。 トヨタにとってはコネクテッドカー(つながるクルマ)を開発する実証実験の場となるが、狙いはそれだけではない。ここではクルマや建物だけでなく、人もネッ
2021年に90万人下回ると予想されていた日本の出生数が、2年前倒しで90万人割れとなる見込みが濃厚となった。厚生労働省がこのほど発表した人口動態統計の速報値によれば、2019年1月から7月の出生数は前年同期比5.9%減の51万8590人で、今年の出生数が90万人割れするのはほぼ確実となったからだ。国立社会保障・人口問題研究所は17年、19年の出生数は92万1000人で、90万人割れするのは21年(88.6万人)とする推計を出していた。 想定より早いペースで少子化が進んでいることに対しては、団塊ジュニア世代(1971~74年)の高齢化が進み、出産適齢期でなくなったことや、20代の女性が578万人、30代の女性が696万人と、出産期の女性の数自体が減っていることが主な理由に挙げられる。しかし、こうした人口動態の変化は、17年時点である程度把握できていたはずだ。なぜ狂いが生じたのか。 問題を見
日本郵政傘下のかんぽ生命保険で契約者の不利益につながる保険契約の乗り換えが見つかった問題を巡り、保険販売元の日本郵便とかんぽ生命は7月10日に会見を開き、謝罪した。同社は6月、保険商品の乗り換え販売時に、健康状態などを理由に保険が再契約できず、無保険状態の顧客を作ってしまったケースが1万8900件あったことを発表したばかり。ずさんな販売体制が再び露呈したことで、金融庁が販売体制の改善を求める可能性も出てきた。 今回明らかになったのは、旧契約の解約から新契約までの4~6カ月間、顧客が無保険状態に置かれていた事案や顧客に保険の新旧契約を重複して結ばせ、保険料を半年にわたり二重に払わせたという事案だ。こうした事案は多数あったとされるが、会見で具体的な件数は公表されなかった。内部資料によると前者は4万7000件、後者は2万2000件と言われている。 問題の背景には、旧契約の解約タイミング次第で保険
国内大手物流会社の業績が拡大している。ヤマト運輸を傘下に持つヤマトホールディングスと佐川急便を傘下に持つSGホールディングスの2019年3月期通期業績はともに増収増益だった。ヤマトが「人手不足」を理由に近年進めてきた宅配値上げを受け入れる顧客企業が増え、その動きが業界に波及した格好だ。 ヤマトが4月26日に発表した19年3月期通期連結決算は、売上高にあたる営業収益が前の期に比べ5.6%増の1兆6253億1500万円、純利益が同40.9%増の256億8200万円。ドライバーの増員などで人件費が増加したが、それを補って余りあるのが宅配値上げに伴う単価上昇だ。ヤマトによると19年3月期の宅配の平均単価は、今年1月末時点の予想を2円上回る664円で着地したという。 宅配業界最大手のヤマトの動きは他社にも“波及効果”を及ぼす。その1社がSGホールディングスだ。同社の19年3月期の連結営業収益が7.0
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