中国各都市で運転席に誰もいない無人の自動運転タクシーの導入に向けた動きが急速に進んでいる。 【写真】中国の無人タクシーの車内 中でも、湖北省武漢市では最も広い地域で商用サービスが許可され、新たな「市民の足」として定着しつつある。一方で、仕事を奪われかねない一般タクシー業界は危機感をあらわにしており、既存産業とのあつれきも表面化し始めた。 ◇運転はスムーズ 8月、炎天下の武漢市内。通常の配車サービスと同様、専用アプリに乗車地と目的地を打ち込むと、無人タクシーが迎えに来た。車内は空調が効いており、シートベルトを締めると出発。車内モニターでは目的地までの経路や周囲の交通状況を確認でき、音楽も楽しめた。 運転も極めてスムーズで丁寧だ。センサー技術「LiDAR(ライダー)」やカメラで周囲の状況を常に把握しており、100キロ近いスピードでの走行や車線変更も安定していた。交差点では信号無視をして横断する