広島と長崎に米軍が投下した原爆を開発した「マンハッタン計画」の主導者となった物理学者の半生を描く映画「オッペンハイマー」。米アカデミー賞では作品賞、クリストファー・ノーラン氏の監督賞など7部門を受賞し、広島でも試写会が開かれるなど29日の公開を前に注目は高まっている。一方、米国では昨年夏の封切り以降、実に多様な意見が飛び交ってきた。作品は原爆被害の実態に米国民が目を向ける契機となるか。核兵器廃絶の訴えは強まるか―。原爆投下国で映画館に足を運び、鑑賞した広島ゆかりの人たちに感想を聞いた。(金崎由美、小林可奈) 米シカゴ生まれ。核関連の科学技術史が専門で、2005年から広島を拠点に研究生活を送る歴史学者。約20カ国を訪ね、核実験、核兵器や核燃料の生産で被害を受けた「グローバル・ヒバクシャ」への聞き取りを重ねる。 新たな視点を見る者に与えているようで、実際には従来の米国人の原爆観からの転換はない
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