2021.01.22 わたし、かわいそうですか?――『ヤングケアラー わたしの語り 子どもや若者が経験した家族のケア・介護』(生活書院) 澁谷智子(著者)社会学 「わたし、かわいそうですか?」この本の帯となった言葉である。 18歳未満の子どもが、本来であれば大人が担うと想定されているような責任を負って家族の世話をしている様は、多くの人に何かを訴えかける。こうしたヤングケアラーについて書かれる時には、ともすれば、その子どもたちが経験してきた苦労の部分のみがクローズアップされがちだった。前書きで私はこう書いた。 「ヤングケアラーの側から見てみたら、16歳の時に親のおむつを替えていたという話にばかり焦点を当てて延々と繰り返されるのは、自分の感覚としっくり来ないこともある。もちろん、家族のケアをしたという現実はあり、その時にしんどさを感じたことも事実だが、ヤングケアラーの経験はそれだけでは終わらな
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