昔そうで昔じゃない少し昔[3]、桃屋の新商品開発室で、1人の社員がラー油の新商品を作りたそうで作りたくない少し作りたい顔をしていた。そこで上司が「よし、ではお前に新商品の開発を任せそうで任せない少し任せてみよう」と、その社員に開発担当者になることを命じた。開発担当者は、「頑張りそうで頑張らない少し頑張ります」と言って、開発に取りかかった。 それから長そうで長くない少し長い時間が経過した。開発担当者が考えていた「食べるラー油」の原型は完成しそうで完成しない少し完成したが、まだまだ市場に出せる状態ではない。「あと一歩だというのに」開発担当者は辛そうで辛くない少し辛い[4]表情を浮かべた。 開発担当者が目指したのは、これまでにない新しそうで新しくない少し新しいタイプのラー油だった。しかし、このままでは、既製品と変わり映えがしなそうで変わり映えがしなくない少し変わり映えがしない。開発担当者は、「ど