大阪の老舗ホテルのパーティに招待された。帰りにクロークで預けたコートを受け取り、駐車サービス券をもらうべく駐車券を差し出した。それを受け取ったクロークは不思議なものを見るような目つきで首を傾げ、駐車券をじっと見て固まった。この時点で私はこの駐車券をクロークから奪い取るべきだった。 「ちょっとお待ちください」と、クロークは私の駐車券とともに誰かに尋ねにどこかに消えた。私を見送るべくホールから出てきている主催者たちと私は、ずっとそのクロークが戻るのを手持ち無沙汰に待った。私の車で共に帰ろうとする知人もまた、クロークを待った。 随分経ってからクロークは戻り、私の渡した駐車券をそのまま私に返して言った。 「駐車サービス券は、2階フロントでお受け取りください」 6階のパーティ会場で、クロークも6階にあるというのに、なんで駐車券だけが2階なんだ、といぶかしんだが、ホテルマンがそう言うのだから仕方がない