走行中の新幹線で自らに火を放った男。周囲を巻き込むつもりだったのか、あるいは何らかの抗議行動だったのか-。捜査線上に浮上した71歳の男の東京都内の自宅周辺では、異様な行動が近隣住民らに目撃されていた。 半年ほど前のことだ。深夜の静まりかえった杉並区の住宅街にガラスの割れる音が響いた。男の自宅は2階建てアパート1階の一室。近所の50代男性は翌朝に目撃した異様な光景を今でも鮮明に覚えている。 「男の部屋の窓ガラスが割れていた。部屋の窓ガラスを割って室内に入ったようだ。室内は段ボール箱がいっぱいに詰まっていて、人が暮らすような感じじゃなかった」。男は1人暮らしとみられ、この男性は「妻が数回、男が電話の相手に怒鳴る声を聞いた」と話した。