「ブログを開設するのはやめなさい」善なる声が私に呼びかけました。 その声が聞こえたのは、私がいつもより早く予備校を抜け出し、内的な興奮を抑えながら帰宅したのち、押入に隠していたラップトップを取り出して起動したときのことでした。 「あなたは今まであまりに多くのブログを作っては黒歴史としてきたわ。何回も開設して、何回も放置して、何回も閉鎖してきた」善なる声は感情を封じたかのような声で言いました。「打ち捨てられたブログの記事を読み返して、復元不可能な形での削除を決断したとき、あなたは過去に書いた記事を読んで何を思いましたか?あなたにとってブログ作りとは、すなわち黒歴史作りだった。やめなさい、ブログを開設するのは」 「いや、開設すべきだ。ゲマインシャフトの中で封殺された思考には吐露するための場所が必要だ」悪なる声は耳元で囁きます。「お前は社会的に極めて特殊な環境下で重圧に押しつぶされながら、極めて
「どうして大学生活を楽しもうとしないんですか?」 彼女の声は凛々しく、冷たく、それでいてどこか官能的だった。 一年前と何も変わらない、あの声。 彼女は変わらなかった。 僕は変わった。大学にいたから。 大学に行ってしまったら、きっと彼女も変わってしまうだろう。 だから、大学を殺す。美しいままの彼女でいて欲しいから。 毎年多くの若者が大学受験をします。センター試験だけで受験者数は50万人。都市が一つ出来上がるレベルです。これだけ多くの人が受験するのですから、やはり来歴や目的意識、性癖は千差万別。しかし、一つだけ、大多数の受験生に当てはまる共通点が有ります。それは大学生活への期待を抱いているという事です。 私もかつてはその一人でした。大人になれば自然に恋人が出来ると思ってた幼少期や、自分は東京大学に入れるものだと勝手に思ってた中学生の頃と同様に、大学に行けば好きな学問が出来る、友達だってたくさん
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く