借用した作品の紛失問題に続き、出展アーティスト・山本高之との契約違反が判明したアーツ前橋。情報公開された内部資料をもとに経緯を振り返る 記録集発行を中止、業務委託料を一部払わず借用作品の紛失問題が起きたアーツ前橋(群馬県前橋市)が、出展アーティストとの契約を守らず、業務委託料の一部が未払いだったとして市はアーティストに謝罪し、損害賠償金80万円を支払った。問題は、作品紛失が判明した前年の2019年に発生し、同館の住友文彦館長(2021年3月末に退任)と学芸員が関わっていた。いったい何があったのか。 本件を報じた上毛新聞と毎日新聞の記事(*1)によると、経過の大筋は以下となる。 アーツ前橋は2019年、美術を通じた学びの可能性を探ることなどを目的にアーティストの山本高之を招聘した企画展「山本高之とアーツ前橋のビヨンド20XX」を開催。山本と交わした契約には同展の企画立案に加え、記録集の監修な