トップ > 経済 > 経済Q&A > 記事一覧 > 記事 【経済Q&A】 独白 国債編<上> 国の格付け 客観的手法など確立されてない Tweet 2011年11月1日 資料を手に話す格付け会社の元社員=東京都千代田区で(藤原進一撮影) ◆ムーディーズ40代元社員 この夏、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債を歴史上初めて格下げして騒がれたけど、そんなに大ごとだとは思わなかった。なぜなら、ソブリン(国債)の客観的な分析手法なんて実のところ、確立されていないから。 格付けは、平たく言えば将来的にデフォルト(債務不履行)する可能性を「Aaa」から順番に表した記号。ムーディーズは百年以上の歴史の中で、一般企業がどういう経営状況になれば破綻するかは、実際の会社のデフォルト事例を分析・蓄積し、それを判断の基準にしている。 でも、国債の場合、国家がデフォルトした例なんて数えるほどしかない。