「Formerly True Theories (Wonkish and Self-Indulgent)」と題したエントリでクルーグマンが、かつては正しかったが、それを生み出した背景ゆえに成立しなくなった理論の例として以下を挙げている。 マルサス経済学 人口圧力が生産性の利得をすべて吸い上げてしまうため、大部分の人々は生存のための最低限の生活を余儀なくされる、という理論。 メソポタミアに文明が出現して以来の60世紀のうち58世紀は正しかった。 現代経済学流の考え方をしたマルサスのような人を生み出した潮流(知的好奇心、体系的な徹底した思考、科学的態度の勃興)そのものが、技術進歩を促し、マルサス的な罠から世界を救い出した。 ヒュームの正貨流出入機構論*1 1752年の「Of the balance of trade*2」は、経済学の発展において画期的な著作であり、明示的な数学は無いものの、単純