江戸時代の大坂と言えば「天下の台所」、つまりは町人の都というイメージが強いだろう。司馬遼太郎は、幕府直轄の武士はわずか二百人と述べている。しかし、江戸時代のはじめからおわりまで、一貫して大坂は「武士の町」だったのだ! 大坂に武士はほんとうは何人いたのか? 武士たちはどうやって大坂の生活を楽しんでいたのか? 大坂城はどんな構造だったのか? 奉行所では何が行われていたのか? 大塩平八郎はなぜ決起したのか? なぜ「大坂は町人の町」という言説が生まれたのか? 「武鑑」や、大坂町奉行所の絵図面、代官たちの日記、幕府にのこされた数々の文書など、数多くの史料を駆使して、大坂という町で、いかに武士が生き、歴史を動かしていたのかに光をあてる快心作。
![『武士の町 大坂』(藪田 貫):講談社学術文庫 製品詳細 講談社BOOK倶楽部](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/766fd44f90d4b3c26a1b3348b84a34653fe77756/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcv.bkmkn.kodansha.co.jp%2F9784065198957%2F9784065198957_w.jpg)