多くの企業が売上げ不振に悩む中、近年、注目されているマーケティング手法がある。『コーズ・リレーテッド・マーケティング』(以下、コーズ・マーケティング)である。 これは、企業の事業活動によって得た利益の一部をNGOなどの組織に寄附することで、社会問題の解決に貢献し、しかも商品の売上げや企業価値を上げる手法である。 欧米では盛んに行なわれているが、寄附の文化がないといわれるこの日本では、これまであまり活用されてこなかった。しかし最近では、めざましい成功を収めるプロジェクトやプログラムが続出し、注目を集めている。今回はいくつかの成功事例を紹介しながら、このマーケティングの本質に迫ってみたい。 日本でも成功事例が続々。 その成功の秘密は? 今年で3年目を迎えた、ボルヴィックの「1L for 10L」プログラム。ユニセフを通じて、アフリカ・マリ共和国に清潔で安全な水を確保する井戸が建設される