「民意」の政治家は危険? 既成政党に対する不信感、失望感が渦巻く中、橋下徹大阪市長と大阪維新の会への期待感が、とくに保守層の間で高まっている。だが、同じ「保守」の視点から強烈な“待った”をかける論文を哲学者の適菜収氏が発表した。「橋下流の政治は、小泉自民党から民主党政権を貫く政治腐敗の帰結であり、その根底には国家解体のイデオロギーがある」というのだ。 適菜氏が批判するのは、橋下市長が事あるごとに唱える「民意」だ。ナチスの蛮行もフランス革命の恐怖政治も、この「民意」によって生み出されたとし、「古代ギリシャから現在まで連綿と続く人類の知の歴史、およびまともな哲学者、思想家、政治学者が明らかにしてきたことは、『民意』を唱える政治家を除去しないかぎり、文明社会は崩壊するという事実」だと強調。橋下市長が掲げる政策についても、首相公選制を「テレビタレント首相制」と、地方分権や参院解体を「革命の論理」と