その1歩は小さな1歩でも、FCVと岩谷産業にとっては大きな1歩となるかもしれない――。産業用・家庭用ガス専門商社の岩谷産業は7月14日、国内初となる燃料電池自動車(FCV)向けの商用水素ステーションを兵庫県尼崎市内にオープンした。 開所式で同社の野村雅男社長は、「この水素ステーションは、大量輸送・大量貯蔵に適した液化水素を使っているともに、コンパクトで高効率のコンプレッサー(水素圧縮機)を備えた最新鋭のステーションだ」と胸を張った。 2015年度までに20カ所を建設へ もっとも、現状は水素を注入する対象であるFCVがまだ市販されておらず、当面は”開店休業”が続く。トヨタ自動車が2014年度中のFCV発売を予定しており、早ければ年内に実質的な営業開始となる。2015年には本田技研工業も発売する予定で、商用水素ステーションもJXホールディングスや東京ガスなど他社を含め、100カ所程度に増加する