検察官の不起訴の判断が妥当かどうかを、国民から選ばれた審査員がチェックする検察審査会。その役割が5月21日から大きく変わり、審査会の議決が法的な拘束力を持つようになった。裁判員制度の「先輩格」ともいえる国民の司法参加制度の今後を展望する。 ◆期待◆ 改正検察審査会法が施行された5月21日、兵庫県明石市の歩道橋事故の遺族が、神戸検察審査会に3回目の審査を申し立てた。2001年7月に通行人の下敷きとなって幼児ら11人が死亡したこの事故を巡っては、警備を担当した警察署幹部の業務上過失致死傷容疑について、審査会は過去2回「起訴相当」と議決したが、神戸地検はいずれも不起訴処分としていた。「改正法は追い風」。遺族の一人は期待を込める。 検察審査会は、検察の公訴権(起訴するかしないかを決める権利)に民意を反映させるため、戦後導入された日本独自の制度だ。有権者の中からクジで選ばれた11人の審査員が、不起訴